バルビゾン派とは
芸術用語
概要
バルビゾン派とは19世紀のヨーロッパでおこった芸術の流行の一つです。
中心となった画家たちがフランスのバルビゾン村を拠点にしていたことからその名がつきました。
その信念は確固たる写実主義と言え、一派の画家たちは世間の流行や批難を顧みずありのままの風景を描写し続けました。
背景
古来よりヨーロッパでは歴史・宗教画が旺盛であり、肖像画や風俗画、宮廷画がこれに続いていました。
ルネサンスにおいてこの風潮はさらに高まり、
絵画とは俗世を離れた神話の世界を映し出すもの、人物の永遠なる高貴さをとどめておくものというような位置づけが確立します。
その中でコローを始めとしたバルビゾン派の画家たちは『ありのままの風景にこそ生命の美しさが存在する』として、それらをキャンバスに留めようとします。
折しもこの頃には都市部を中心に環境悪化や公害問題が叫ばれており、芸術以外の分野でも自然主義が叫ばれていました。
1848年にヨーロッパ各地で起こった革命(2月革命)後はこれらがさらに浮き彫りとなり、社会はバルビゾン派の描くありのままの自然風景を受容しだし、それどころか挙って収集するようになりました。
日本が明治時代を迎えると、これらの作品たちは西洋絵画のお手本として輸入されます。
水墨画に代表されるように、日本には元来風景画への理解がありましたので、黒田清輝を始めとしたのちの日本画壇を代表する画家たちがこれらの作品から学んだそうです。
作品例
“古典主義を脱却する試み” -コロー作『モルトフォンテーヌの思い出』を鑑賞する-
“農民のための画家” 前編-ミレー作『種まく人』を鑑賞する-
“少年の心” -ルソー作『アプルモンの樫、フォンテーヌブローの森』を鑑賞する-
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