中国画とは

芸術用語

概要

中国画はその名の通り中国で生まれ、その歴史の中で研鑽されてきた絵画とその技法です。

中国画は大きく写意画(水墨画)と工筆画に分かれています。

写意画について

日本では水墨画として知られているジャンルですね。

対象及び世界を墨の濃淡だけで表し、静かな美しさを湛えたものです。

1200年前の中国の士人は『墨の中に五彩あり』と述べました。

 

その起源は古く、2100年前の漢の時代にはすでに墨を用いた絵画が存在していたようです。

1400年前にはその濃淡により奥行きを表現する技法が考案され、自然風景を描く山水画に広く用いられるようになりました。

 

我々が想像する中国の岩山と言えば湖南省の武陵源などがありますが、写意画はこのような雄大な自然を表す上で最高の方法であると言えますね。

また、禅の普及に伴い写意画でもって禅宗の故事や僧を描くようにもなりました。

日本で水墨画といえば雪舟が有名ですね。

作品例

李总莫 作『陶淵明』 -シカゴ美術館蔵-

陳大福 作 『』 -シカゴ美術館蔵-

工筆画について

工筆画は顔料を用いて鮮やかさを加えた中国画です。

古来より顔料には鉱石と植物の両方が素材として用いられてきました。

 

写意画・工筆画にはともに極限まで要素を省いた絵画と言えます。西洋画と比較するとその違いが分かりやすいでしょう。

西洋画は対象となるもの・周りの風景・空気・世界観を『すべて描く』ことを目的とします。

しかし、写意画と工筆画は最低限必要な対象物のみを描き、世界を埋めつくします。

 

工筆画は彩色をしているもののその層は非常に薄く、ゆえにおぼろげながら確たる存在感を放ちます。

日本ではまだ認知が薄い分野かもしれませんが、とても日本人好みの作品が多いですよ。

作品例

作者不明 『蘭亭集会』 -シカゴ美術館蔵-

仇英 作『桃花源図』 -シカゴ美術館蔵-

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