“平和の象徴をここに” ムンク 作 『太陽』を鑑賞する

風景画

作品概要

  • 作品名 太陽
  • 画家 エドヴァルト・ムンク(1863年~1944年)
  • 制作時期 20世紀初頭

ムンクについて

概要

エドヴァルト・ムンクは北欧ノルウェー生まれの画家です。

17歳の時に王立絵画学校に入学し、芸術の道に進みました。

ムンクをはじめとしたこの時代のヨーロッパの画家の多くは写実性を捨て、人間の心理的な側面を描くようになります。

のちに『世紀末芸術』とよばれるこれらの傾向は時代を映した鏡としても貴重なものですね。

最終的に彼の作風は“生命のフリーズ”へと帰結します。

生涯

制作背景

40代の半ば、精神病院から退院したムンクはノルウェーの小さな町に戻りました。

そこで親族から仕事を進められたムンクは、クリスチャニア大学(現 オスロ大学)の講堂に掲げる壁画の下絵を制作し始めます。

壁画はコンペティション形式で採用が決まりますが、1911年のコンテストでは彼の作品が1位に選ばれました。

 

しかし、ムンクを嫌う大学側が彼の作品を拒否します。

その後ムンクを支持する運動が起きたため、大学側は作品を採用しましたが、作品代を値切ろうとしたりと執拗に嫌がらせを続けたそうです。

 

そんな中でも完成した作品は、1枚が縦4メートル半・横8メートルに及ぶ大作であり、さらにムンクは講堂の3面にテーマが異なる別々の作品を制作しました。

本項で紹介する作品は、講堂の正面に飾られている『太陽』です。

鑑賞

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あらためて作品を見てみましょう。

エドヴァルト・ムンク作『太陽』です。

 

彼の作品としては非常に珍しい、人物がほぼ描かれていない絵画です。

 

描かれているのは、海から昇る朝日でしょうか。

放たれる神々しい光は、白だけでなく五色の彩で世界を照らしていますね。

それらは、暗い世界を塗り替えるような光の広がりを想起させ、一つ一つの光陰は見る人の心へ突き刺さるでしょう。

 

ムンクはこの作品を描くために脚立の上で作業したりと、肉体的にも大変だったそうですが、それ故に彼の情熱をありありと感じることができますね。

オスロ大学の学生たちはこの絵に向かい、精神的に良い状態で学業に向かえたことでしょう。

 

またこの作品の性質ゆえか、この講堂は20世紀末ごろまでノーベル平和賞の授与会場になっていました。

これまでに、名立たる平和の偉人たちが、この作品を前に決意を新たにしたでしょうね。

 

こちらの作品はオスロ大学に所蔵されています。(外部リンクに接続します。)

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