ルネサンスとは
概要
ルネサンスとは14~16世紀のヨーロッパで広まった、古典文化の再興運動です。イタリアで始まったルネサンスはやがてヨーロッパ各地に伝搬し、その対象となる分野も多岐にわたりました。
おもに古代ギリシャと古代ローマに着眼したこの運動は、芸術にも多大な影響を及ぼし、ダヴィンチやボッティチェリといった名匠を数多く生み出します。
成立と背景
キリスト教が国教となったローマ帝国では1000年に渡り、古代の文化が軽視・破壊され続けました。
しかし、古代ギリシャ・古代ローマの文化はこれ以前にイスラム教圏にわたり、熱心なイスラム学者のもとで研究され続けます。
そしてイスラムたちがこれらをラテン語に翻訳したことが、最終的にヨーロッパでのルネサンス(古典文化の復興)につながりました。
また14世紀末にクリュソロラスがイタリアにギリシャ語を持ち込んだことも、ギリシャ文化解読の助けになったそうです。
ルネサンスは一言でいえば精神的な大事件です。
現代でいえば未知の文明の発見と、その文字が解読できたような感じです。
例えばギリシャの数千年に及ぶ研鑽から生まれた美しい数式の数々に当時の学者たちは目を宝石のようにして魅入ったでしょう。
また、大哲学者プラトンの思想は1000年の時を超えてフィレンツェの芸術家に受け継がれました。
とくにコンスタンティノープル陥落後は熱意ある学者たちがヨーロッパ各所へ流入し、まるで祭りのように文化的研究が行われました。
古典翻訳には宗教も出身地も超えて学者たちが精力的に臨んだそうです。
芸術分野でもその影響は多岐にみられ、ダヴィンチの『モナ・リザ』/ミケランジェロの『ダビデ像』/エルグレコの『受胎告知』など多くの傑作が生まれます。
時代が過ぎ、バロックが主流になるまで、ルネサンスはヨーロッパの文化を席巻しました。
作品例
ルネサンス期に誕生した芸術作品は枚挙に暇がありません。
しかし共通して言えることは、“芸術家たちはみな、古代人たちに人間としての理想を感じた”のでしょう。
ボッティチェリ作 『プリマヴェーラ』
ボッティチェリ作 『ヴィーナスの誕生』
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